日本に関して言えば失明したうちの20.9%が緑内障の割合という調査結果があります(2008年)。緑内障で失明を防ぐために一番大事なことは早期発見です。それは緑内障はかなり悪くならないと兆候がなく、兆候が出た時点でかなり進行して進行を抑えるのが難しいからです。多くの人は少し見えにくくなった程度では眼科を受診しなく、それが「コントロールできない緑内障」に繋がります。
緑内障とは一言で言えば、「視神経が死んでいく病気」で治療しなければ最終的には失明します。アメリカの健康保険ではそのために「ビジョン」の項目があり、一年に一度の目の検査とメガネ、又はコンタクトレンズの一部を保険で払ってくれるのは「一年に一度の目の検査が大事である」からです。日本にはそういうシステムがないため、アメリカにいても日本人の方達は「目が悪くなったのは歳のせい」などと思ってすぐには受診されません。
緑内障になりやすい人は、
- 血族に緑内障のひとがいる
- 近視が強い。
- 偏頭痛がある。
- 30歳以上である。
- 2年以上目の検査をしていない。
1に関しては両親とは限らず、祖父母やその兄弟とか、昔のことなどで不明なこともある。
2に関しては過去にレーシックをやったひとも含む。
4に関して、40歳以上はもっとなりやすい。ただ、意外にも30歳代にすでに始まっている人も多いため敢えて30歳以上とした。
5に関して、自分の目の状態を把握していない人は気をつけたほうが良いです。
というのは、当クリニックでいきなり緑内障と診断された人の多くは、効き目にゴミが入って、反対の目が見えないと初めて気がついたとか、免許更新で視力が引っかかったとか違う理由で来診された方が多いからです。また日本で、検査なしでコンタクトを同じものをいつもオーダーしている人達もリスクが高いです。
一年に一度の目の検査を必ず受けていただくことをお勧めします。