まだ30歳なのに緑内障と診断されました。緑内障ってもっと年配の人の病気ではないのでしょうか?ショックです。
日本の最近のニュースで、厚生省の調べによると2005年から2014年までに失明原因の第一位である緑内障の患者数が約54万人から106万人と約10年で倍増した、とありました。さらに自分が緑内障になっていると気づいていない推定患者数は400万人を越え、40歳以上の20人に1人が緑内障にかかっている、と言っています。(出典:excite news)
興味深いのは当クリニックでも、過去20年間で日本人の患者さんに限って、緑内障の疑いがある人は10人に5人で、その中で緑内障と診断するのは5人に2人という統計だからです。数値的には確かに過去10年で倍増しているかもしれません。
ちなみにアメリカでは失明原因の第一位は緑内障ではありませんが、私の見解では、過去10年で倍増した、というよりは、過去10年にテクノロジーが発達して、早期発見が可能になり、以前では判明できなかったことが判明できるようになった、ということだと思います。
アメリカでは一年に一度の目の検査が保険対象になってますが、
- 日本の保険では、「目の検査がしたい」だけでは保険が払ってくれないので、多くの人はひどくなって症状がでなければ来診しないこと
- メガネ屋さんの従業員が医者免許なくてに検査してメガネを作ることが合法とされていること
が早期発見できない多くの理由と見ています。(結構度数が合っていなくても多くの人が気がつかずに合っていないメガネをされているのも驚きです。)
こういうとが厚生省の人が多分まだ気がついていないというのが残念です。
アメリカではまず「一般眼科」で医師免許のある一般眼科医が一年に一回目の検査をして、目の疾患、緑内障などの病気がないかということを確認してから必要なら、コンタクトレンズ、メガネの処方も出します。
先日日本でいつもコンタクト屋さんでコンタクトを作っているのに、レンズの度数が変わって目が見えにくくなったと思っていたら、突然緑内障といわれてあと、6ヶ月で失明するといわれて、ハワイまでセカンドオピニオンを聞きにいらっしゃいました。30代前半の若い方でした。日本のコンタクトやさんではそこまで検査をしなくても良いようになっているのでしょうか。
残念なことにその通りでした。緑内障とは視神経が死んでいく病気なのですが早期発見すれば、お薬で進まないようにすることは可能です。でも進んでしまえば、一度死んでしまった視神経を元に戻すことはできません。
緑内障は普通の目の検査で発見できます。わかりにくいときは詳しい緑内障検査で発見でき一般眼科医が治療します。はじめから専門医に行く必要はありません。必要なときは一般眼科医が専門医に紹介することもありますが、基本アメリカの一般眼科医はすべての目の治療をします。
一年に一度、一般眼科で目の検査をされることをお勧めします。