レーシックで視力矯正をする方におススメしたいことは、レーシック手術を行うセンターには直接行かないことです。その前に一般眼科に行って、自分のケースはレーシックに向いているかどうかを検査してもらい相談することが一番大事です。なぜなら、レーシック手術センターでは手術をすること前提に物事が進められるからです。言い換えれば、オペはビジネスだからです。
私たち一般眼科医は、良い点悪い点を冷静にアドバイスする立場にあります。ですから、適していない人には「やらない方がいい」と進言します。
レーシックがアメリカのFDA(日本で言う厚生省)で認証されて20年近く経っています。普通に生活していれば、「レーシック矯正して凄くよく見える。」と言うことを聞くのがほとんどだと思いますが、医学の現場に居れば良い結果だけではありません。最初は、臨床例が少なく5年後、10年後というものがわからなかったのが、今ではレーシックで視力矯正して生活が悲惨になったという人も多くなっているのが現状です。もちろん20年の年月が経っているため、コンピューター技術も進み色々なタイプのレーシックが可能になり、以前よりも安く多くのドクターが施術出来るようになりました。
患者にとって適正であるかどうかは、視力、角膜の形、角膜の厚さ、瞳孔の大きさ、年齢などを基準にしています。とはいえ、神経が多く集まっている人体の中でも最もセンシティブな角膜を切ることにより、神経組織への影響は避けられないし、なんらかの合併症が起こってしまうこともありえます。
最近アメリカのある有名な気象予報士が、視力矯正手術の後遺症に耐えられなかったのが原因で自殺した、というニュースが流れた。この事件がきっかけで視力矯正手術の危険性が再び指摘されはじめました。アメリカのDaily Mail紙に元FDAのあるドクターも、「FDAはレーザー視力矯正でうまく行かなかった人の苦情に耳を傾けていない、成功率の統計は正確ではない。」などと、批判的なコメントを述べている。
2014年の報告では、患者の50%近くが術後3ヶ月後に物が二重に見えたり、光がにじんだり走って見える、50%以上がドライアイを訴えていると報告しているが、FDAの最新研究では90%以上の患者が手術の結果にハッピーであるとしている。その反面、実際にレーシック術後の合併症で苦痛に悩みうつ病になるという人々がいるという報告は控えている、とも言われている。(引用:Daily Mail)
最終的に判断するのは自分です。良いことばかりではなく、ネガティブなことも頭に入れること。自分はどれぐらいレーシック/視力矯正手術したいのか。レーシックにに関してある程度リサーチして、一般眼科で検査をし、自分は適正かどうか、また適正率は何パーセントなのかなど相談されることから始められるのをお勧めします。