弱視とは英語で “emblyopia” と言います。人間の視力は小児期に発達していきます。弱視とは一言で言えば、小児期に目から脳への刺激がなく、大人になっても視力が出ないということです。
もともと人間は生まれた直後からはっきりと物が見えるわけではなく、生まれた後に物が網膜に映し出され、それが視神経を通って鮮明な映像が脳に映し出されます。それが脳で認識されながら機能が発達していきます。
視覚は生後間もなく発達して7、8歳頃までに形成されると言われています。そのため6歳までに脳に鮮明な映像が映し出されないと、その後脳の映像を認識する部分が発達できなくなってしまうということです。目から脳へ伝達しなかった大きな理由は、過度の遠視、乱視、斜視、先天的白内障、目の疾患などがあげられます。
眼科検診に行けばその原因がわかるはずです。多くの場合、6歳までに目の検査をせず、片目に大きな乱視または遠視があってもメガネで視力矯正をしなかったために大人になって初めてわかる、というものです。弱視の視力はどこまで出せるかは6歳までにどれぐらい脳が視覚の刺激を受けていたかによります。
6歳を過ぎていても早く発見してメガネをかけたり、ビジョントレーニングで視力をある程度は回復することは可能かと思われます。子供は目が見えにくいということがわからないため、6歳になるまでに眼科で目の検査をすることがとても大切なことになります。