「眼の奥が痛い」という症状は、3月以来新型コロナでロックダウンになってから一番多い症状です。
この「眼の奥が痛む」には病気によるものと病気ではないもの、あと日常生活による原因に大きく分けられます。
- 病気によるもの
眼の痛みを伴う代表的な病気は、急性緑内障、感染症、視神経炎などの炎症などがあげられます。普通の緑内障は慢性的に症状がないまま進行しますが、急性緑内障は急に眼圧が上昇するために起こります。眼の奥の急激な痛み、頭痛、吐き気などを伴い視力が低下します。すぐ眼圧を下げないと失明に至りますのですぐに病院に行ってください。
感染症は細菌、カビ、ウィルスなどにより多くは充血を伴います。コンタクトレンズを使っている方はアメーバなどの原因で角膜炎になり失明する可能性があるのですぐに眼科に行ってください。
- 眼以外の病気
片頭痛、三叉神経痛などがあげられます。片頭痛は眼の痛みや吐き気などを伴い、視野が一時的に狭窄することもあります。市販薬では効かないことがあるので内科に相談されるといいと思います。三叉神経痛は三叉神経が圧迫され顔面が痛んだり眼が痛みます。
- 日常生活によるもの
ドライアイ。これは病気から来るものもありますが、原因はそれ以外にもあります。コンタクトレンズの長時間装用、連続装用。またコンピューターや携帯の長時間使用によるものがあげられます。使っているコンタクトレンズが自分にあっているかを検査することも大事になります。多くの人が合っていないコンタクトレンズを使用されています。(最大のドライアイの原因です)レンズが合っていても長時間装用しているとドライアイになります。
その他、意識的にまばたきの回数を増やして涙を分泌させたり、市販のドライアイ用眼薬で一時的に症状を和らげることができます。
ドライアイが市販の点眼薬で改善されない場合、眼点プラグやドライアイの治療薬を処方することができます。
コンピューターや携帯を長時間使用して眼精疲労になると眼の奥が痛み、視力の低下、頭痛や吐き気を伴うことがあります。これには、ブルーライトカットのコンピューターメガネや、近くに焦点を合わせる度入りのコンピューターメガネを作るとかなり症状が緩和されます。
また温湿布で一時的に痛みを緩和できます。
3月のロックダウン以来当院で一番多かった「眼の奥が痛む」の原因は3の「日常生活によるもの」でした。これからも大人をはじめ子供さんもなれないオンラインクラスなどで眼精疲労や視力低下が増えると思います。
眼科を受診して定期的な眼の検査をされることが大事になってきます。